空き家の国庫帰属、相続放棄は現実無理ゲー

「親から相続した実家の空き家、正直いらない…」
「いっそ国に返せばスッキリするんじゃないか?」
そう考えたことがある人は、かなり多いはずです。
ですが結論から言うと、それはほぼ幻想です。
私は仕事を通じて「誰も引き取ってくれない土地・空き家」
を数多く見てきました。
2023年から始まった相続土地国庫帰属制度。
名前だけ聞くと「国がいらない土地を引き取ってくれる神制度」
に見えますが、実態はまったく違います。
国が引き取ってくれる土地の条件は
以下の条件を、ほぼすべてクリアする必要があります。
①建物がないこと(樹木も含みます)
→ 解体費用は自己負担(数十万〜数百万円)
②隣地との境界が明確
→ 測量費用が必要(数十万円)
③崖・段差・不整形地がない
→ 少しでも管理リスクがあるとアウト
つまり「普通に売れるようなキレイな土地」のみ対象、レベル高過ぎでしょ!
さらに、審査に通っても終わらない。
最後に待っている「お金」
10年分の管理費として20万円以上を国に支払う必要あり
もはや「困っている人を助ける制度」ではなく
「国が損をしない土地だけを選別して、さらにお金も取る制度」
にしか感じないんですけど、、、、
「じゃあ相続放棄すれば関係なくなるでしょ?」
残念ですが、これもなかなかに香ばしいです。
相続を放棄すると、税金は払わなくてよくなります。ですが、、、
管理義務だけは残ります。つまり、
草刈りや最低限の管理は必要。木が倒れて隣地に被害が出たら責任を問われる
苦情は「放棄したはずのあなた」に来る
土地探しをしていると、誰のものか分からない所有者不明土地
によく出会いますが、その裏にはこうした事情があります。
「いらない」と言ったのに、死ぬまで関わり続ける可能性がある。
冷静に考えると、モヤモヤしてしまいます。
昔は「土地=資産、土地=ステータス」でした。
でも今は全く違います。
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売りたくても、買い手がいない
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国にも引き取ってもらえない
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法律上、簡単に捨てられない
価値のない土地を持つことは、終わりの見えない罰ゲームになりつつあります。
私が実際に見てきた放置空き家は、この罠にハマった人たちの「結果」です。
もし今、あるいは将来、いらない実家、使う予定のない土地があるなら
「そのうち国がなんとかしてくれる」という期待は、今すぐ捨てた方がいいです。
選択肢はシンプルで現実的です。
お隣にタダ同然でも譲る!
安くても今のうちに売る!
活用できる形に無理やり変える!
制度に期待する前に、「出口」を自分で作ること。
先送りすると、その土地はあなたではなく、
子どもや孫を苦しめる負の遺産になります。